歯医者に通う頻度は?年代・リスク別でわかるあなたに最適なペース2025年12月27日

平和島・大森エリアの歯医者・歯科「大森沢田通り歯科・予防クリニック」です。
「歯医者にはどのくらいの頻度で通えば良いのだろう?」このような疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。一般的には「3〜6ヶ月に1回」という目安がよく聞かれますが、最適な頻度は、お一人おひとりの年齢や現在のお口の状態、生活習慣によって大きく異なります。
この記事では、まず基本的な通院頻度を解説した上で、ご自身の年代や抱えるリスクに合わせた「あなたにとって最適な通院ペース」を見つけるための具体的な情報を提供します。定期検診は、将来の大きな治療を未然に防ぐための、時間と費用の賢い投資です。ぜひ最後まで読み進めて、ご自身の歯の健康を長く維持するためのヒントを見つけてください。
歯医者に通う理想の頻度は「3〜6ヶ月に1回」が基本
歯科医院での定期検診は、一般的に「3〜6ヶ月に1回」が理想的な頻度とされています。この期間は、お口の健康を維持し、虫歯や歯周病といった病気の早期発見・早期治療を行う上で非常に合理的であると医学的に考えられています。
その理由の一つに、歯垢が歯石へと変化する期間が挙げられます。歯垢は毎日の歯磨きで除去できますが、それが約2日から2週間で石灰化し、硬い歯石へと変わってしまいます。歯石は歯ブラシでは取り除けないため、歯科医院での専門的なクリーニングが必要となります。3ヶ月から半年という期間は、この歯石が本格的に蓄積し、歯周病のリスクを高める前に専門家が介入するのに適したタイミングなのです。
また、虫歯や歯周病は初期の段階ではほとんど自覚症状がなく進行します。特に歯周病は「サイレントディジーズ(静かなる病気)」とも呼ばれ、気づかないうちに悪化しているケースが少なくありません。この3〜6ヶ月というサイクルで定期的に口腔内をチェックすることで、自覚症状が現れる前に病気の兆候を発見し、最小限の処置で済ませることが可能になります。この基本的な頻度を基準として、次のセクションからは年齢やお口のリスクに応じた、よりパーソナルな通院頻度について詳しく解説していきます。
なぜ症状がなくても歯医者に通う必要があるのか?
多くの方が「歯が痛くなってから歯医者に行く」という習慣をお持ちかもしれません。しかし、この考え方には大きなリスクが潜んでいます。虫歯や歯周病は、初期の段階では痛みなどの自覚症状がほとんど現れません。例えば、虫歯が神経に達するほど進行したり、歯周病で歯を支える骨が溶け始める段階になって初めて「痛み」として認識されることがほとんどです。つまり、痛みを感じる頃には病気がかなり進行しており、治療が大がかりになる可能性が高いのです。
症状が出てからでは、治療に要する期間も費用も増大し、抜歯やインプラントといった大掛かりな処置が必要になることもあります。これは、心身への負担はもちろん、経済的な負担も大きくなります。一方で、症状がないうちから定期的に歯科医院に通院することは「予防医療」そのものです。病気の芽を早期に摘むことで、将来的に発生し得る大きな治療の必要性を減らし、結果として心身の健康と経済的な負担を軽減するための重要な自己投資となるのです。
【セルフチェック】あなたに合った歯医者の通院頻度は?年代・リスク別に解説
このセクションでは、ご自身の状況に合わせて、歯医者に通う最適な頻度を見つけるための具体的なガイドをご紹介します。ここまでご説明した「3〜6ヶ月に1回」という基本的な目安は非常に重要ですが、お口の状態は一人ひとり異なるため、よりパーソナルな視点での検討が必要です。
ここからは、「年代」というライフステージごとの大きな括りと、虫歯のなりやすさや歯周病の有無、治療歴といった「お口の中の具体的なリスク」という2つの側面から、推奨される通院頻度を詳しく解説していきます。ご自身の年齢やお口の状態に当てはまる項目をチェックしながら読み進めてみてください。
【年代別】推奨される通院頻度の目安
お口の中の状態や抱えるリスクは、ライフステージの進行とともに変化していきます。そのため、歯科医院への通院頻度も年代別に適切な目安があります。ここでは、お子さま、働き盛りの成人、そして高齢者という3つのカテゴリーに分けて、それぞれの年代で特に注意すべきお口のポイントと、推奨される通院頻度について詳しく見ていきましょう。
子ども(乳歯〜永久歯が生えそろうまで):3ヶ月に1回
お子さまの歯は、大人の歯に比べて虫歯になりやすく、進行も非常に速いという特徴があります。特に、乳歯は永久歯よりも歯質が柔らかく、一度虫歯ができるとあっという間に大きくなってしまいます。また、乳歯と永久歯が混じり合う時期は、歯並びが複雑になり、歯ブラシが届きにくい箇所が増えるため、磨き残しによる虫歯のリスクが高まります。
3ヶ月に1回の歯科検診では、虫歯の早期発見・早期治療はもちろん、顎の成長や歯並びのチェック、さらにはブラッシング指導やフッ素塗布といった予防処置も集中的に行うことができます。幼い頃から歯科医院に慣れ親しみ、予防の習慣を身につけることは、将来にわたって健康な歯を保つための大切な基礎となります。
成人(20代〜60代前半):3〜6ヶ月に1回
成人の通院頻度は、個人のライフスタイルやお口の中のリスクによって3ヶ月から6ヶ月と幅があります。この年代では、仕事のストレス、不規則な食生活、喫煙や飲酒といった生活習慣が、虫歯だけでなく歯周病のリスクを大きく高める要因となります。特に歯周病は自覚症状がないまま進行することが多く、気づいた時にはかなり悪化しているケースも少なくありません。
3ヶ月ごとの検診が望ましいのは、喫煙習慣がある方、歯周病の初期症状が見られる方、ストレスが多い方など、お口のリスクが高いと判断されるケースです。一方、口腔内の状態が比較的安定している方であれば、半年に1回でも問題がない場合があります。ご自身にとって最適な通院頻度は、これからご紹介する「お口のリスク別」の項目と照らし合わせ、歯科医師と相談して決めることが重要です。
高齢者(65歳以上):3ヶ月に1回
65歳以上の高齢者の方には、3ヶ月に1回の頻度で歯科医院に通うことをおすすめします。加齢とともに歯肉が下がり(歯肉退縮)、歯の根元が露出することで虫歯になりやすくなったり、唾液の分泌量が減る「ドライマウス」によって自浄作用が低下し、虫歯や歯周病のリスクがさらに高まります。
また、持病の治療のために服用している薬の副作用で唾液が減ることも多く、口腔内の環境が悪化しやすい傾向にあります。入れ歯やブリッジなどの補綴物(ほてつぶつ)を使用している場合は、それらの清掃や管理も非常に重要です。さらに、お口のケアが不十分だと、細菌が肺に入り込む「誤嚥性肺炎」のリスクも高まります。頻繁にプロによるチェックとケアを受けることで、これらのリスクを管理し、全身の健康維持にもつながるため、積極的な定期検診が不可欠です。
【お口のリスク別】通院頻度を高めるべきケース
ここからは、年代だけでなく、個人の口腔内の状態やこれまでの治療歴によって、通常よりも頻繁な検診が必要になる具体的なケースについて詳しくご説明します。ご自身の状況に当てはまる項目がないか、チェックしながら読み進めてみてください。それぞれの状況において、なぜより短い間隔での通院が推奨されるのかを掘り下げて解説していきます。
歯周病のリスクが高い・治療中の方:1〜3ヶ月に1回
歯周病は、一度治療しても再発しやすい病気として知られています。そのため、歯周病のリスクが高い方や現在治療中の方は、1〜3ヶ月という短い間隔での定期的なメンテナンスが不可欠です。歯周ポケットの奥深くに入り込んだ細菌や歯石は、日々のセルフケアだけでは完全に除去することが非常に困難です。プロによる定期的なクリーニング(PMTC:プロフェッショナルメカニカルトゥースクリーニング)で、これらの細菌を効果的にコントロールしなければ、再び症状が悪化してしまう可能性が高まります。
特に、歯周病治療が完了した後も「サポーティブペリオドンタルセラピー(SPT)」と呼ばれる専門的なメインテナンスを継続することが重要です。これは、安定した歯周組織の状態を維持し、病気の再発を防ぐための予防管理プログラムであり、歯科医師や歯科衛生士が定期的に口腔内をチェックし、適切な処置を行うことで、長期的な歯の健康を守ります。この継続的な通院が、歯周病の進行を食い止め、ご自身の歯を長く使い続けるための鍵となるのです。
虫歯になりやすい方:3ヶ月に1回
虫歯になりやすい体質の方、糖分を多く含む食生活を送りがちな方、あるいは歯並びが複雑で磨き残しが多い方には、3ヶ月に1回の定期検診が強く推奨されます。虫歯の初期段階である「脱灰」の状態であれば、まだ歯を削る必要はなく、フッ素塗布や適切なブラッシング指導、食生活の改善によって再石灰化を促し、健康な状態に戻せる可能性があります。
3ヶ月ごとに専門家によるチェックを受けることで、虫歯の「芽」を早期に発見し、進行を未然に防ぐことができます。これにより、もし虫歯が見つかったとしても、最小限の治療で済ませられる可能性が高まります。また、この機会に、ご自身の虫歯リスクに合わせたセルフケアの方法や、より効果的な歯磨きのコツなどを歯科衛生士から指導してもらうことで、日々の予防効果を格段に高めることができるでしょう。
詰め物・被せ物、インプラントが多い方:3〜4ヶ月に1回
お口の中に詰め物や被せ物(クラウン、ブリッジなど)が多い方、またはインプラント治療を受けている方は、3〜4ヶ月に1回の定期検診をおすすめします。これらの人工物と天然の歯との境目は、非常にデリケートであり、汚れが溜まりやすく、虫歯が再発しやすい「二次カリエス」のリスクが高い箇所です。また、インプラントは天然歯とは異なり歯根膜がないため、インプラント周囲炎といった特有の炎症が起こりやすく、一度進行すると治療が難しい場合があります。
これらのリスク箇所は、ご自身のセルフケアだけでは完璧に管理することが非常に困難です。歯科医師や歯科衛生士による定期的なチェックと専門的なクリーニングは、これらの高価な治療を長持ちさせ、トラブルを未然に防ぐために不可欠なメンテナンスとなります。プロの目で細部まで確認し、専用の器具でクリーニングを行うことで、人工物を清潔に保ち、口腔全体の健康を維持することができるのです。
矯正治療中の方:1〜3ヶ月に1回
矯正治療を受けている方は、1〜3ヶ月に1回の頻度で歯科医院に通うことが推奨されます。矯正装置(ブラケット、ワイヤー、アタッチメントなど)が装着されている部分は、歯ブラシが届きにくく、食べカスや歯垢が非常に溜まりやすい環境です。これにより、虫歯や歯肉炎のリスクが格段に高まってしまいます。
矯正治療中は、歯科衛生士による専門的なクリーニングで装置周りの汚れを徹底的に除去し、必要に応じてフッ素塗布を行うことで、虫歯予防を強化します。また、矯正歯科医は歯の動きや装置の状態を確認するだけでなく、口腔衛生の状態も継続的にチェックします。定期的なメンテナンスは、矯正治療をスムーズに進めるだけでなく、治療期間中に虫歯や歯周病にかかることなく、治療後に健康で美しい歯を保つために非常に重要な役割を果たすのです。担当の矯正歯科医の指示に従い、計画的なメインテナンスを心がけましょう。
妊娠中の方:3〜4ヶ月に1回
妊娠中の女性は、3〜4ヶ月に1回の歯科検診を受けることをおすすめします。妊娠中は女性ホルモンの分泌量が増加するため、口腔内の細菌活動が活発になり、「妊娠性歯肉炎」と呼ばれる歯ぐきの炎症が起こりやすくなります。また、つわりによって歯磨きが困難になったり、食の好みが変化して間食が増えたりすることも、虫歯や歯周病のリスクを高める要因となります。
妊娠中の口腔内のトラブルは、お母さん自身の健康だけでなく、生まれてくる赤ちゃんにも影響を及ぼす可能性があります。例えば、歯周病菌が血液を通じて全身に回り、早産や低体重児出産のリスクを高める可能性も指摘されています。そのため、安定期に入ったら、歯科医院で定期的なチェックとクリーニングを受け、お口の中を清潔に保つことが非常に重要です。赤ちゃんのためにも、ご自身のお口のケアを怠らないようにしましょう。
口腔内の状態が良好な方:半年に1回〜1年に1回
歯科医師の診察によって、口腔内のリスクが非常に低いと評価された場合は、通院頻度を半年に1回、あるいは1年に1回に設定することもあります。例えば、長年虫歯や歯周病の経験がなく、日頃のセルフケアも非常に丁寧に行き届いている方などがこれに該当します。しかし、この通院頻度の判断は、あくまで自己判断ではなく、必ず歯科医師による精密な検査と評価に基づいて決定されるべきものです。
たとえ現在の口腔内の状態が良好であったとしても、セルフケアだけでは完全に除去できない歯石の付着や、自覚症状のない初期の虫歯、歯茎のわずかな炎症など、小さな変化は誰にでも起こり得ます。これらの小さな変化も、放置すれば将来的に大きな問題へと進行する可能性があります。そのため、状態が良好だからといって定期的なチェックが不要になるわけではありません。定期的な検診は、口腔内の良い状態を維持し、潜在的なリスクを早期に発見して対処するために不可欠です。
歯医者の定期検診で何をする?内容とメリットを知ろう
歯医者の定期検診と聞くと、「虫歯のチェックをするだけ」といった漠然としたイメージをお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。しかし、実際の定期検診は、お口の健康を多角的に守るための、非常に充実したプログラムです。このセクションでは、定期検診で具体的にどのようなことが行われるのか、そして検診を継続することで得られる長期的なメリットについて詳しく解説していきます。お口の健康を守り、将来の不安を減らすために、定期検診がどれほど価値のあるものかを知っていただければ幸いです。
定期検診の主な内容
歯科医院での定期検診が具体的にどのような流れで進められるのか、疑問に感じる方もいらっしゃるかもしれません。ここでは、問診から始まり、専門家によるお口のチェック、クリーニング、そして一人ひとりに合わせたアドバイスまで、定期検診で受けられる一連の体系的なプログラムについて詳しくご説明します。
問診と口腔内チェック(虫歯・歯周病)
定期検診では、まず問診から始まります。これは、皆さんの普段の生活習慣、食生活、喫煙・飲酒の有無、そしてお口の中で気になることや自覚症状がないかなどを歯科医師や歯科衛生士が丁寧に確認する大切なステップです。続いて行われる口腔内チェックでは、歯科医師や歯科衛生士が皆さんの歯を一本ずつ、専門家の目でじっくりと観察し、虫歯の有無や進行状況を細かく確認していきます。
また、歯周病の検査では、「プローブ」と呼ばれる細い器具を使って、歯と歯ぐきの境目にある「歯周ポケット」の深さを測定します。この深さが深ければ深いほど歯周病が進行している可能性があり、さらに歯ぐきからの出血の有無などもチェックすることで、皆さんの歯周病のリスクを正確に評価していきます。
歯垢・歯石の除去(プロによるクリーニング)
毎日の歯磨きで頑張っていても、どうしても落としきれない汚れがあります。それが「歯垢(プラーク)」と、さらに硬く石灰化した「歯石」です。歯垢は歯磨きで取り除けますが、歯石はご自身の歯ブラシでは除去できず、放置すると歯周病の原因となる細菌の温床となってしまいます。
定期検診では、歯科医師や歯科衛生士が「スケーラー」と呼ばれる専門の器具を使い、歯ぐきの上や下に付着した歯石を丁寧に取り除きます。プロによる徹底的なクリーニングを受けることで、普段の歯磨きでは届かない部分の汚れもきれいに除去され、お口の中がツルツルになります。このツルツルな状態は、汚れが付きにくくなる効果もあるため、虫歯や歯周病の予防に非常に効果的です。
歯磨き指導・セルフケアのアドバイス
定期検診は、ただ治療を受けるだけの場所ではありません。ご自身のお口の健康を向上させるための知識とスキルを身につける場でもあります。歯科衛生士は、皆さんの磨き癖や磨き残しが多い箇所を具体的に指摘し、それに合わせた歯ブラシの選び方、正しい歯ブラシの当て方、デンタルフロスや歯間ブラシの効果的な使い方などを丁寧に指導してくれます。
このように、一人ひとりにパーソナライズされたアドバイスを受けることで、日々のセルフケアの質が飛躍的に向上します。これにより、次回の検診までの間も、ご自身で効果的な予防を継続できるようになり、虫歯や歯周病のリスクをさらに低減できるでしょう。
フッ素塗布やレントゲン撮影(必要に応じて)
定期検診の際には、必要に応じてフッ素塗布やレントゲン撮影も行われます。フッ素は、歯の表面を強化し、虫歯菌が出す酸から歯を守る効果があるため、特に虫歯になりやすい方やお子さんの虫歯予防に推奨されます。
また、レントゲン撮影は、肉眼では確認できない歯の内部や歯と歯の間、そして顎の骨の中の状態を確認するために不可欠な検査です。初期の虫歯や歯周病の進行度合い、根の病気など、目には見えない問題を発見するのに役立ちます。歯科医師が皆さんの口腔内の状態を正確に診断するために必要と判断した場合に行われますが、放射線被ばく量はごくわずかですのでご安心ください。これらのオプション的なケアを通じて、より詳細な情報を得て、お口全体の健康維持に努めます。
定期検診を続ける5つのメリット
忙しい毎日の中で、時間や費用をかけてまで歯医者さんの定期検診に通い続けることに、どのような価値があるのだろうと感じるかもしれません。このセクションでは、定期検診がもたらす短期的な効果だけでなく、将来にわたってあなたの健康と生活の質を守るための、具体的で長期的なメリットを5つご紹介します。定期検診は、ただの「受診」ではなく、「将来の安心」を手に入れるための賢い選択であることをお伝えします。
メリット1:虫歯や歯周病を早期発見・早期治療できる
定期検診の最も大きなメリットは、虫歯や歯周病といったお口のトラブルを、症状が出る前の初期段階で発見し、すぐに治療を開始できることです。初期の虫歯であれば、削る量を最小限に抑えられたり、場合によっては削らずにフッ素塗布などの予防処置で進行を止めたりすることも可能です。歯周病も、軽度であれば専門的なクリーニングと適切なセルフケア指導で改善が見込めます。
症状が進行してから歯医者さんに行くと、治療が大がかりになり、痛みや治療期間、そして費用も増大してしまいます。定期検診によって早期に問題を発見することで、治療は最小限で済み、歯医者さんに対する心理的なハードルも下がり、「行ってみてよかった」と感じる好循環が生まれるでしょう。
メリット2:将来の治療費を大幅に抑えられる
「予防は最大の節約」という言葉があるように、定期検診は長期的に見れば非常に経済的な投資です。年に数回、数千円の定期検診費用は、一見すると負担に感じるかもしれません。
しかし、もし虫歯や歯周病が進行してしまった場合、根管治療には数万円、被せ物には保険適用外であれば数十万円かかることもあります。さらに、歯を失ってインプラントを選択すれば、1本あたり数十万円という高額な費用が必要になります。これらの治療に比べれば、定期検診の費用ははるかに安価です。定期検診を習慣化することで、将来的に発生する可能性のある高額な治療費を大幅に抑え、あなたの財産を守ることにつながります。
メリット3:口臭や歯の着色を防ぎ、清潔な口元を保てる
定期検診は、お口の健康維持だけでなく、審美性やエチケットの面でも大きなメリットをもたらします。毎日の歯磨きだけでは完全に除去できない、歯の表面に付着した着色汚れ(ステイン)や、口臭の原因となる細菌の塊(バイオフィルム)は、プロフェッショナルなクリーニングで徹底的に除去できます。
定期的にクリーニングを受けることで、歯本来の自然な白さを取り戻し、清潔感のある口元を維持できます。また、口臭の原因となるプラークや歯石が除去されることで、爽やかな息を保つことができ、ビジネスシーンやプライベートにおいて、自信を持って人とコミュニケーションが取れるようになるでしょう。
メリット4:全身の健康維持につながる
お口の健康は、全身の健康と密接に関係していることが多くの研究で明らかになっています。特に、歯周病の原因菌は血管を通じて全身に広がり、糖尿病の悪化、心筋梗塞や脳梗塞といった心血管疾患のリスクを高めることが指摘されています。また、高齢者においては、歯周病菌が原因となる誤嚥性肺炎のリスクも高まります。
定期検診を通じてお口の中を常に清潔に保ち、健康な状態を維持することは、これらの全身疾患の予防にもつながります。お口の健康を守ることは、単に歯を守るだけでなく、体全体の健康を守るための重要なステップであり、より質の高い生活を送るための基盤となります。
メリット5:自分の歯を長く健康に保てる
人生100年時代と言われる現代において、「自分の歯で一生涯食事を楽しむ」ことは、生活の質(QOL)を大きく左右します。「8020運動」という言葉に代表されるように、80歳になっても20本以上の自分の歯を保つことは、健康寿命を延ばし、食の楽しみや人との会話の喜びを維持するために非常に重要です。
定期検診を習慣化することは、虫歯や歯周病の進行を防ぎ、ご自身の歯をできるだけ長く健康な状態で維持するための最も確実な方法です。プロのケアと適切なセルフケアを組み合わせることで、天然の歯を失うリスクを最小限に抑え、いつまでも美味しく食事ができる豊かな人生を送るための基盤を築くことができます。
歯医者の定期検診に関するよくある質問
ここでは、定期検診を受ける上で多くの方が抱きがちな疑問や不安について、Q&A形式で具体的に解説していきます。費用や時間、しばらく歯医者に行っていない方へのアドバイスなど、実践的な質問に明確にお答えしますので、ぜひ参考にしてください。
Q1. 定期検診の費用と時間はどれくらい?
定期検診にかかる費用は、保険が適用される場合、一般的に3,000円〜5,000円程度が目安となります。これには、歯科医師による診察、歯周病検査、そして歯科衛生士による歯石除去やクリーニングなどが含まれることが多いです。ただし、お口の状態によっては追加の検査や処置が必要となり、費用が変動することもあります。具体的な金額については、受診される歯科医院で事前に確認することをおすすめします。
所要時間については、30分〜60分程度が目安です。問診や検査、クリーニングなど一連の流れを丁寧に行うため、このくらいの時間を要します。お忙しい方でも、事前に予約を取ることでスムーズに受診できますので、ご自身のスケジュールに合わせて通院計画を立てやすいと言えるでしょう。
Q2. しばらく歯医者に行っていなくても大丈夫?
「しばらく歯医者に行っていないから、怒られるのではないか」「状態が悪すぎて、何を言われるか不安」と感じていらっしゃる方もいるかもしれません。しかし、そのような心配は一切必要ありません。歯科医師や歯科衛生士は、患者さんのお口の健康をサポートするパートナーです。
長期間歯医者から足が遠のいていたとしても、大切なのは「気づいた今、一歩を踏み出すこと」です。まずは現状を把握し、そこからどのように改善していくかを一緒に考えてくれるでしょう。どのような状態であっても、歯科医院は常にあなたの来院を歓迎し、最適なケアを提供するために存在しますので、安心してご相談ください。
Q3. 毎日の歯磨きを完璧にしていれば、検診は不要?
毎日丁寧に歯磨きをしていても、残念ながらセルフケアだけではお口のトラブルを完全に防ぐことは難しいのが現状です。どんなに熱心にブラッシングしても、歯ブラシの届きにくい歯と歯の間、奥歯の裏側、そして歯周ポケットの奥深くには、どうしても磨き残しが生じてしまいます。
これらの場所に残ったプラーク(歯垢)は、やがて硬い歯石へと変化し、ご自身では除去できません。歯石は細菌の温床となり、虫歯や歯周病を進行させる大きな原因となります。また、歯周ポケットの奥深くで進行する歯周病は、自覚症状がないまま悪化することがほとんどです。そのため、セルフケアで届かない部分の汚れをプロの技術で徹底的に除去し、お口全体の健康状態を定期的にチェックしてもらうことが不可欠です。毎日の丁寧な歯磨きと、プロによる定期検診は、お口の健康を守るための車の両輪と言えるでしょう。
Q4. 治療が終わったら通院も終わりでいい?
虫歯の治療や歯周病の治療が終わり、ようやく安心したと感じる方もいらっしゃるでしょう。しかし、治療が終わったからといって、そこで歯科医院への通院を完全にやめてしまうのは、せっかく健康を取り戻したお口の状態を維持する上で大変もったいないことです。
治療を終えた歯は、いわば「修復歴のある歯」であり、天然の健康な歯に比べて再び問題が起こるリスクが高い傾向にあります。詰め物や被せ物の境目から再び虫歯になる「二次カリエス」や、一度治った歯周病が再発する可能性もあります。そのため、治療完了後は「メンテナンス」という新たな段階に入ります。定期的な検診とクリーニングによって、治療した箇所を含めお口全体の良い状態を維持し、トラブルの再発を未然に防ぐことが非常に重要です。治療の終わりは、健康な状態を維持するためのスタート地点と考えて、定期検診を習慣化していきましょう。
まとめ:自分に合ったペースで定期検診を習慣化し、一生涯の歯の健康を手に入れよう
歯医者に通う頻度は、多くの方が目安としてご存じの「3〜6ヶ月に1回」を基本としますが、最終的にはお一人おひとりの年代やお口の状態、抱えるリスクによって最適なペースは異なります。
この記事を通じて、ご自身の口腔内の状況やライフスタイルに合わせて、どのくらいの頻度で定期検診を受けるべきか具体的なイメージを持っていただけたのではないでしょうか。定期検診は、単に今の問題を解決するだけでなく、将来の大きな治療を未然に防ぎ、結果として治療にかかる費用や時間を大幅に節約するための、非常に賢い自己投資です。
ご自身の歯で一生涯食事を楽しみ、笑顔で過ごすためには、信頼できるかかりつけの歯科医院を見つけ、歯科医師や歯科衛生士と相談しながら、あなただけの予防プログラムを立ててもらうことが最も確実な方法です。ぜひ、今日から定期検診を習慣化し、健康な未来への一歩を踏み出してください。
少しでも参考になれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございます。
監修者
国立東北大学卒業後、都内の医療法人と石川歯科(浜松 ぺリオ・インプラントセンター)に勤務。
2018年大森沢田通り歯科・予防クリニックを開業し現在に至る。
【所属】
・5-D Japan 会員
・日本臨床歯周病学会 会員
・OJ(Osseointegration study club of Japan) 会員
・静岡県口腔インプラント研究会 会員
・日本臨床補綴学会 会員 会員
・日本デジタル歯科学会 会員
・SPIS(Shizuoka Perio implant Study) 会員
・TISS(Tohoku implant study society) 主催
【略歴】
・2010年国立東北大学 卒業
・2010年都内医療法人 勤務
・2013年 石川歯科(浜松 ぺリオ・インプラントセンター)勤務
・2018年 大森沢田通り歯科・予防クリニック 開業
・2025年 銀座Aクリニックデンタル 理事長 就任
平和島・大森エリアの歯医者・歯科「大森沢田通り歯科・予防クリニック」
『沢田通り歯科・予防クリニック』
住所:東京都大田区大森北6丁目23−22
TEL:03-3767-0648


