インプラント治療にかかる期間は?各ステップの所要時間と全体の流れを解説2025年11月15日

平和島・大森エリアの歯医者・歯科「大森沢田通り歯科・予防クリニック」です。
歯を失った際の治療法として、インプラント治療を検討されている方も多いのではないでしょうか。インプラント治療は、失った歯の機能と見た目を回復させる有効な選択肢ですが、「治療期間が長くかかるのではないか」「治療中は日常生活に影響があるのではないか」といった不安を感じることもあるかもしれません。
この記事では、インプラント治療にかかる具体的な期間について、治療の各ステップごとの所要時間や全体の流れを詳しく解説します。なぜ治療期間に個人差が生まれるのか、どのようなケースで期間が長引くのかといった疑問にもお答えしますので、インプラント治療への理解を深め、安心して治療に臨むための一助となれば幸いです。
インプラント治療の期間は最短3ヶ月~1年以上が目安
インプラント治療の完了までにかかる期間は、最短で3ヶ月、長い場合は1年以上と患者様の状態によって大きく異なります。これは、インプラントが顎の骨としっかりと結合するまでの治癒期間が、個人差や治療部位によって異なるためです。一般的には、下顎で約6ヶ月、上顎で約12ヶ月が目安とされています。
上顎の骨は下顎に比べて密度が低く柔らかい傾向があるため、インプラントと骨が結合するまでに時間を要することが多く、治療期間が長くなる傾向にあります。しかし、インプラント治療は時間がかかるものの、天然の歯とほぼ変わらない機能性や審美性を回復できる点が最大のメリットです。しっかりと噛めるようになることで食事の楽しみが広がり、見た目の改善によって自信を持って笑顔になれるなど、長期的な視点で見れば非常に価値の高い治療と言えます。
なぜ治療期間に個人差が生まれるのか?
インプラント治療の期間に個人差が生まれる理由は多岐にわたりますが、主に患者様の口腔内の状態、顎の骨の状況、インプラントを埋め込む本数、そして選択される手術方法などが影響します。
まず、患者様の口腔内の健康状態が大きく関わります。例えば、治療前に虫歯や歯周病が進行している場合、それらの治療を優先して行う必要があるため、インプラント治療に入るまでの準備期間が長くなります。特に重度の歯周病は、インプラント治療の成功率に影響を及ぼすため、徹底的な事前治療が不可欠です。
次に、顎の骨の量や質も重要な要素です。インプラントは顎の骨に直接埋め込むため、十分な骨量と強度が必要です。もし骨の量が不足している場合は、「骨造成手術」と呼ばれる骨を増やすための追加治療が必要となります。この骨造成手術を行うと、インプラントを埋め込む前に数ヶ月の治癒期間が必要となるため、全体の治療期間が大幅に延長されることになります。さらに、インプラントを埋め込む本数が多かったり、顎の広範囲にわたる治療が必要な場合も、治療計画が複雑になり、期間が長くなる傾向があります。
また、インプラントの手術方法として「1回法」と「2回法」があり、どちらを選択するかによっても期間は変わります。1回法は手術が一度で済みますが、2回法はインプラント埋入後に一度歯肉を閉じ、骨との結合を待ってから再度歯肉を開いてアバットメントを装着するため、治癒期間を含めて全体の期間が長くなります。このように、個々の状況に応じた最適な治療計画が立てられるため、治療期間には患者様ごとに差が生じるのです。
インプラント治療の全体の流れと各ステップの期間
インプラント治療は、失われた歯の機能と見た目を取り戻すための、計画的な治療プロセスです。この治療は、診断から始まり、外科手術、人工歯の装着、そして長期的なメンテナンスに至るまで、いくつかの明確なステップを経て進められます。ここでは、インプラント治療がどのような流れで進んでいくのか、またそれぞれのステップにどれくらいの期間がかかるのかを詳しく解説していきます。治療全体のプロセスを把握することで、安心して治療に臨むことができるでしょう。
ステップ1:カウンセリング・精密検査・治療計画の立案(期間:約2日~2週間)
インプラント治療の最初のステップは、患者さんの口腔内の状態を正確に把握し、最適な治療計画を立てるためのカウンセリングと精密検査です。この段階では、歯科医師が患者さんの悩みや治療への希望を詳しくヒアリングし、口腔内全体の診察を行います。特に、CT撮影によるあごの骨の量や質、神経や血管の位置の確認は非常に重要です。これにより、インプラントを安全かつ確実に埋入できるかどうかが判断されます。
また、全身の健康状態や既往歴、服用している薬なども詳しく確認し、インプラント治療が可能かどうか、あるいは治療を進める上での注意点がないかを慎重に判断します。これらの詳細な検査結果に基づいて、一人ひとりの患者さんに合わせたオーダーメイドの治療計画が立案されます。このステップの期間は、通常2日〜2週間程度で、歯科医院への通院回数は2~3回が目安です。
ステップ2:事前治療(期間:口腔内の状態による)
精密検査の結果、口腔内に虫歯や歯周病などの問題が見つかった場合、インプラント治療に入る前にこれらの「事前治療」を行う必要があります。インプラントを埋入する場所やその周囲の環境が不健康な状態では、インプラント治療の成功率が著しく低下し、治療後にトラブルが起こるリスクが高まるためです。例えば、歯周病が進行していると、インプラント周囲炎のリスクが高まります。
そのため、虫歯の治療や歯周病の改善を優先的に行い、口腔内全体をインプラント治療に適した健康な状態に整えます。この事前治療にかかる期間は、患者さんの口腔内の状態によって大きく異なり、軽度な場合は数週間で済むこともあれば、重度の場合は数ヶ月を要することもあります。この事前治療の期間が、インプラント治療全体の期間を長くする一因となる場合があることも理解しておくことが大切です。
ステップ3:インプラント埋入手術(期間:1日)
事前治療が完了し、口腔内がインプラント治療に適した状態に整ったら、いよいよインプラント埋入手術を行います。この手術は局所麻酔のもとで行われるため、痛みを感じることはほとんどありません。インプラント1本あたりの手術時間は、一般的に約30分程度と比較的短時間で完了します。
手術では、まず歯茎を切開し、あごの骨にインプラント体(人工歯根)を埋め込むための小さな穴を開けます。そこにインプラント体を慎重に埋入し、最後に歯茎を縫合します。骨造成などの追加処置が必要な場合は、手術時間が約60分程度かかることもあります。通常、この手術は日帰りで完了し、入院の必要はありません。
インプラントの手術方法「1回法」と「2回法」
インプラントの外科手術には、主に「1回法」と「2回法」という2つの術式があります。それぞれの方法には特徴と適応条件があり、患者さんの骨の状態や治療計画に基づいて選択されます。
「1回法」は、インプラント体の埋入と、インプラント体と人工歯を連結するためのアバットメント(連結部分)を装着する処置を、一度の手術で行う方法です。この方法では、外科処置が一度で済むため、患者さんの身体的負担が少ないというメリットがあります。しかし、歯茎からアバットメントの一部が露出した状態で治癒を待つため、感染リスクの観点から、あごの骨の状態が非常に良いなど、適応できる症例が限られます。
一方、「2回法」は、まず1回目の手術でインプラント体をあごの骨に埋入し、歯茎を閉じて完全に覆って縫合します。その後、インプラントと骨が結合する治癒期間を待ち、数ヶ月後に2回目の手術で歯茎を小さく切開し、インプラント体の頭部を露出させてアバットメントを連結します。この方法は、インプラント体が歯茎の下で保護された状態で骨と結合するため、感染リスクが低く、より多くの症例に適用できるというメリットがあります。
ステップ4:インプラントと骨の結合を待つ治癒期間(期間:約3ヶ月~6ヶ月)
インプラント埋入手術後、インプラント体があごの骨と結合するのを待つ「治癒期間」に入ります。この結合プロセスは「オッセオインテグレーション」と呼ばれ、インプラントが長期的に安定して機能するために不可欠な期間です。インプラントと骨がしっかりと結合することで、人工の歯根が天然の歯根のように機能し、人工歯をしっかりと支えることができるようになります。
この治癒期間の目安は、通常3ヶ月から6ヶ月程度です。しかし、患者さん一人ひとりの骨の質や量、全身状態、あるいはインプラントを埋入した部位によって期間は変動します。一般的に、骨の密度が高い下あごよりも、骨が柔らかく結合に時間がかかる傾向がある上あごの方が、治癒期間が長くかかることがあります。この期間は、インプラントの成功を左右する極めて重要な時間であり、焦らずに待つことが大切です。
ステップ5:アバットメント(連結部分)の装着(期間:1日)
インプラント体と骨がしっかりと結合した後、人工歯を取り付けるための準備として「アバットメント」という連結部分を装着します。アバットメントは、インプラント体と人工歯をつなぐ土台となるパーツです。
特に「2回法」で手術を行った場合は、歯茎の下に埋まっていたインプラント体の上部にアバットメントを連結するため、歯茎を小さく切開する簡単な外科処置が必要になります。一方、「1回法」の場合は、すでに歯茎から露出しているアバットメントの役割を担うパーツを、最終的な人工歯を取り付けるためのアバットメントに交換する処置が行われます。このアバットメントの装着は通常1日で完了します。
ステップ6:人工歯(上部構造)の製作・装着(期間:約1~2週間)
アバットメントの装着が完了したら、いよいよ治療の最終段階である「人工歯(上部構造)」の製作と装着に移ります。このステップでは、まず患者さんの口腔内の型取りを行い、その型を基にして歯科技工士が一人ひとりの噛み合わせや周囲の歯の色、形に合わせたオーダーメイドの人工歯を製作します。人工歯の素材には、セラミックやジルコニアなどがあり、見た目の美しさや耐久性を考慮して選択されます。
人工歯の製作には、通常約1~2週間程度の期間がかかります。製作された人工歯は、歯科医院でアバットメントの上に装着され、噛み合わせや見た目の微調整が行われます。これにより、患者さんは天然の歯と変わらないような機能と審美性を回復し、インプラント治療が一区切りとなります。
ステップ7:治療後のメンテナンス(期間:治療完了後から継続)
インプラント治療が完了し、人工歯が装着された後も、インプラントを長持ちさせるためには「メンテナンス」が非常に重要です。インプラントは虫歯になることはありませんが、手入れを怠ると天然の歯と同様に歯周病に似た「インプラント周囲炎」という炎症を起こすリスクがあります。インプラント周囲炎が進行すると、あごの骨が溶けてインプラントが抜け落ちてしまう可能性もあります。
このため、インプラント治療後は、歯科医院での定期的な検診と専門的なクリーニングが不可欠です。通常、3~6ヶ月に1回程度のペースで通院し、インプラントの状態や口腔衛生状態のチェック、歯石除去などを行います。また、患者さん自身による毎日の丁寧なブラッシングなどのセルフケアも、インプラントを健康に保つ上で非常に重要です。このメンテナンスは、インプラントを一生涯にわたって快適に使い続けるために、治療完了後から継続的に続けていく必要があります。
インプラント治療の期間が長引くケース
インプラント治療の期間は、患者さんの口腔内の状態や治療計画によって異なりますが、特定の条件に当てはまる場合には、当初の予定よりも治療期間が長引くことがあります。これは、インプラントを安全かつ確実に定着させるために追加の処置が必要となるためです。ここからは、治療期間が長引く代表的なケースについてご紹介します。
顎の骨の量が不足している場合(骨造成手術)
インプラント治療において、顎の骨の量が不足している場合は治療期間が長引く最大の要因となります。インプラント体は顎の骨にしっかりと固定されることで安定性を保つため、骨の量が十分でないと埋め込むことができません。このような場合に必要となるのが「骨造成手術」です。
骨造成手術は、骨を増やすための処置であり、「骨誘導再生(GBR)」などの手法が用いられます。これは、患者さん自身の骨や人工骨などを移植して、インプラントを埋入するのに十分な骨の厚みと高さを確保する方法です。この手術を行うと、インプラントを埋め込む前に数ヶ月間の治癒期間が必要となるため、全体の治療期間が大幅に長くなります。
骨造成手術が必要かどうかは、精密検査によって判断されます。骨の量が不足していても、骨造成手術によってインプラント治療が可能になる場合が多く、治療の選択肢を広げる重要な処置と言えます。
歯周病や虫歯の治療が必要な場合
インプラント治療を始める前に、口腔内に歯周病や虫歯がある場合は、これらの治療を優先して行う必要があります。口腔内に感染源となる重度の歯周病や虫歯が存在すると、インプラント治療の成功率が低下したり、術後にインプラント周囲炎などの合併症を引き起こすリスクが高まるためです。
歯周病や虫歯の治療内容は、その重症度によって大きく異なります。軽度であれば短期間で治療が完了することもありますが、重度の場合には数ヶ月単位で治療期間が追加される可能性もあります。この事前治療の期間も、全体のインプラント治療スケジュールに影響を与える要因となることを理解しておくことが大切です。
インプラント治療期間に関するよくある質問
インプラント治療の期間については、多くの方が様々な疑問や不安を抱えていることと思います。ここでは、患者様からよく寄せられる質問にお答えする形で、インプラント治療の期間に関する疑問を解消していきます。
治療中に歯がない期間はありますか?
インプラント治療中、「歯がない状態で過ごさなければならないのではないか」とご心配される方もいらっしゃるかもしれません。特に前歯などの目立つ部分では、日常生活への影響が大きいと考えるのは自然なことです。
しかし、ご安心ください。多くの場合、インプラント治療中に歯がないまま過ごす期間はほとんどありません。特に審美性が重視される前歯などのケースでは、治療中に「仮歯」や「仮の入れ歯」を装着することが一般的です。これにより、見た目を損なうことなく、治療期間中も普段と変わらない生活を送ることが可能です。ただし、仮歯は最終的な人工歯に比べて強度が劣るため、硬いものを噛むのは避けるなど、いくつかの注意点があります。
治療期間中の食事や生活で気をつけることは?
インプラント治療期間中は、特に手術直後において、いくつかの注意点があります。手術当日は麻酔が完全に切れるまで食事を控えるようにしてください。麻酔が効いている状態で食事をすると、誤って口の中を噛んでしまったり、やけどをしてしまったりするリスクがあるためです。麻酔が切れてからは、柔らかいものから徐々に食事を再開し、刺激の少ないものを摂るように心がけましょう。具体的には、おかゆやうどん、ゼリーなどがおすすめです。
また、手術後は飲酒や激しい運動、長時間の入浴は控えるようにしてください。これらは血行を促進し、出血や腫れを悪化させる可能性があるためです。シャワー程度であれば問題ありませんが、湯船に浸かるのは数日間避けるのが賢明です。喫煙は、傷口の治癒を著しく妨げ、インプラントの成功率を低下させる大きな要因となります。そのため、治療期間中は禁煙を強くおすすめします。うがいも強く行いすぎると傷口に悪影響を与えるため、優しく行いましょう。
治療期間を短くする方法はありますか?
インプラント治療期間を短縮する方法として、「即日インプラント」と呼ばれる治療法があります。これは、抜歯と同時にインプラントを埋入し、さらにその日のうちに仮歯まで装着する治療法です。この方法が適用されれば、通常のインプラント治療と比較して、治療期間を大幅に短縮できる可能性があります。
しかし、即日インプラントは、誰もが受けられる治療ではありません。この治療法は、あごの骨の量や質が非常に良好であること、全身状態に問題がないことなど、厳格な条件を満たす場合にのみ適用されます。そのため、まずは歯科医師による精密な検査と診断を受け、ご自身の口腔内の状態が即日インプラントに適しているかどうかを確認することが非常に重要です。
手術中の痛みはどのくらいですか?
インプラント手術と聞くと、「痛そう」というイメージをお持ちの方も少なくないでしょう。しかし、ご安心ください。手術中は局所麻酔をしっかりと行いますので、痛みを感じることはほとんどありません。治療中に万が一痛みを感じた場合は、すぐに歯科医師やスタッフにお伝えいただければ、麻酔を追加するなど適切な処置を行います。
手術後の痛みについては、親知らずを抜いた後と同程度であることが多いです。歯科医院では、術後の痛みを和らげるための痛み止めを処方しますので、指示通りに服用することで十分にコントロールできるでしょう。また、多くの歯科医院では、表面麻酔や電動注射器の使用、あるいは細い針の使用など、患者様が安心して治療を受けられるよう、痛みを軽減するための様々な工夫を凝らしています。
まとめ
インプラント治療は、歯を失ってしまった方にとって、ご自身の歯に近い機能と見た目を取り戻せる優れた治療法です。治療期間は、お口の中の状態や選択する治療法によって大きく異なり、短い場合で3ヶ月程度、長い場合は1年以上かかることもあります。
治療は、精密検査から始まり、インプラントの埋入、骨との結合を待つ期間、そして人工歯の装着と、複数のステップを計画的に進めていきます。期間が長くなることには、骨の量が足りない場合の骨造成や、虫歯・歯周病の治療など、インプラントを長持ちさせるための医学的な理由があります。
確かに治療期間は長く感じられるかもしれませんが、インプラント治療を終えた後には、美味しく食事ができる快適な生活と、自信を持って笑える毎日が待っています。ご自身のケースで正確な治療期間や費用を知るためには、まずは歯科医院で相談し、詳しい検査と説明を受けることが大切です。
少しでも参考になれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございます。
監修者
国立東北大学卒業後、都内の医療法人と石川歯科(浜松 ぺリオ・インプラントセンター)に勤務。
2018年大森沢田通り歯科・予防クリニックを開業し現在に至る。
【所属】
・5-D Japan 会員
・日本臨床歯周病学会 会員
・OJ(Osseointegration study club of Japan) 会員
・静岡県口腔インプラント研究会 会員
・日本臨床補綴学会 会員 会員
・日本デジタル歯科学会 会員
・SPIS(Shizuoka Perio implant Study) 会員
・TISS(Tohoku implant study society) 主催
【略歴】
・2010年国立東北大学 卒業
・2010年都内医療法人 勤務
・2013年 石川歯科(浜松 ぺリオ・インプラントセンター)勤務
・2018年 大森沢田通り歯科・予防クリニック 開業
・2025年 銀座Aクリニックデンタル 理事長 就任
平和島・大森エリアの歯医者・歯科「大森沢田通り歯科・予防クリニック」
『沢田通り歯科・予防クリニック』
住所:東京都大田区大森北6丁目23−22
TEL:03-3767-0648
インプラント治療の費用内訳:知っておくべき隠れたコストと節約のヒント2025年11月8日

平和島・大森エリアの歯医者・歯科「大森沢田通り歯科・予防クリニック」です。
このページでは、インプラント治療にかかる費用について、その内訳から費用を抑える方法までを幅広く解説します。単に「1本あたりいくら」という表面的な価格だけでなく、検査料やメンテナンス費用といった見落としがちなコストについても詳しくご紹介します。インプラント治療の費用に関する不安を解消し、ご自身に合った治療計画を立てるための具体的な知識を得ていただけます。
はじめに:インプラント治療の費用、高額だと諦めていませんか?
歯の欠損に悩んでいる方にとって、インプラント治療は非常に魅力的な選択肢の一つです。しかし、「費用が高額そうだから」と、検討の段階で諦めてしまう方も少なくありません。確かにインプラント治療は安価な治療ではありませんが、その費用の内訳や価格が決まる仕組みを正しく理解することで、漠然とした不安は解消できるものです。納得のいくインプラント治療を選択するための第一歩となれば幸いです。
インプラント治療の費用相場はいくら?
インプラント治療は、失われた歯の機能と見た目を回復するための有効な治療法ですが、その費用は患者さんにとって大きな関心事の一つです。インプラント治療は保険診療の対象外となる自由診療であるため、歯科医院ごとに費用設定が異なり、治療内容によっても大きく変動します。そのため、漠然とした費用イメージだけでなく、具体的な相場を把握しておくことが重要です。
このセクションでは、インプラント治療の費用相場について、一般的な目安をご紹介します。具体的には、インプラント1本あたりの費用はもちろんのこと、見た目が重視される前歯と機能性が優先される奥歯で費用がどのように変わるのか、また全ての歯を治療する場合の「All-on-4(オールオンフォー)」のような包括的な治療の費用についても詳しく解説していきます。これらの情報を参考に、ご自身の状況に合わせた治療計画を検討する一助としてください。
1本あたりの費用相場:30万円~50万円
インプラント治療における費用相場は、インプラント1本あたり30万円から50万円程度が一般的な目安とされています。しかし、この金額はあくまで目安であり、治療を受ける歯科医院や患者さんの口腔内の状態、使用するインプラントの種類や上部構造(人工歯)の素材によって変動します。
この費用には、インプラント本体の価格だけでなく、診断から手術、そして人工歯の製作に至るまでの基本的な治療プロセスが含まれることが一般的です。ただし、骨の量が不足している場合の骨造成(骨を増やす治療)や、痛みを和らげるための静脈内鎮静法などの追加処置が必要となる場合には、別途費用が発生します。
なぜこれほどの価格帯になるのかについては、後のセクションで詳しく解説する「費用の内訳」を知ることで理解が深まります。インプラント治療は精密な検査と高度な技術を要する医療行為であり、その費用は様々な要素によって構成されているため、表面的な価格だけでなく、総額の内訳をしっかり確認することが大切です。
前歯と奥歯で費用は変わる?
インプラント治療の費用は、治療する部位が前歯か奥歯かによって異なる場合があります。特に前歯のインプラント治療では、その審美性、つまり見た目の美しさが非常に重視されます。笑顔になった際に自然に見えるよう、周囲の歯との色や形、透明感の調和が求められるため、非常に精巧な上部構造(人工歯)の製作が必要です。
このため、前歯のインプラントでは、オールセラミックのような審美性の高い素材が選ばれることが多く、その分材料費や歯科技工士による製作費用が高くなる傾向にあります。また、歯ぐきのライン(歯肉縁)の自然な仕上がりも重要となるため、より高度な技術と手間がかかることから、費用が高くなる傾向があるのです。
一方、奥歯は主に咀嚼(噛むこと)という機能性が重視されます。そのため、セラミックとレジンを合わせたハイブリッドセラミックや、金属を裏打ちしたメタルボンドセラミックなど、耐久性を重視した素材が選択されることが多く、前歯に比べて費用が抑えられる場合があります。ただし、奥歯も患者さんの噛み合わせや口腔内の状況によっては、高い審美性や耐久性を追求するために高額な素材が選ばれることもあります。
全ての歯を治療する場合(オールオン4など)の費用相場
全ての歯を失ってしまった場合や、ほとんどの歯が残っていない場合には、「All-on-4(オールオンフォー)」などの包括的なインプラント治療が選択肢となります。All-on-4は、顎の骨に最小限の4本のインプラントを埋め込み、その4本のインプラントで片顎全ての人工歯を支える治療法です。この治療法にかかる費用相場は、上下いずれかの顎で200万円から250万円程度が目安とされています。
この治療法の最大の特長は、1本ずつインプラントを埋入する場合と比較して、使用するインプラントの本数を抑えられるため、総治療費を抑えられる可能性がある点です。また、手術回数や治療期間も短縮できることが多く、患者さんの身体的・経済的負担を軽減するメリットがあります。All-on-4は、広範囲にわたる歯の欠損に悩む患者さんにとって、効率的かつ効果的な解決策となり得ます。
ただし、この費用には、診断から手術、そして最終的な人工歯の装着までの全工程が含まれていますが、追加で骨造成が必要な場合など、個別の口腔内状況によっては費用が変動することもあります。そのため、具体的な治療計画と費用については、必ず歯科医師との十分な相談を通じて確認することが重要ですいです。
【重要】インプラント治療の総額が決まる費用の内訳
インプラント治療の費用を検討する際、提示された金額だけで歯科医院を比較するのは避けるべきです。治療費は単一の料金ではなく、複数の項目から成り立っています。この内訳を正しく理解することが、後悔のない治療選択につながります。
これから詳しくご紹介する各項目、例えば検査・診断料、インプラント本体費用などを把握することで、漠然とした費用の不安を解消し、ご自身にとって最適な治療計画を立てるための具体的な知識を身につけられます。
1. 検査・診断料
インプラント治療を始めるにあたり、まず必要となるのが「検査・診断料」です。これには、CT撮影やレントゲン撮影が含まれ、顎の骨の量や質、神経や血管の位置などを正確に把握するために行われます。これらの精密な検査によって、安全かつ確実な手術計画が立案されるため、非常に重要な工程です。
検査・診断にかかる費用は数万円程度が一般的ですが、歯科医院によっては、この費用がインプラント治療全体の総額に含まれている場合と、別途請求される場合があります。カウンセリングの際に、事前に確認しておくことをおすすめします。
2. インプラント本体(フィクスチャー)の費用
インプラント治療費の内訳において中心となるのが、「インプラント本体(フィクスチャー)」にかかる費用です。インプラント本体とは、顎の骨に埋め込むネジ状の部品のことで、失ってしまった歯の「根」の役割を果たします。
このインプラント本体の素材としては、生体親和性が高く、体内で安定しやすい「チタン」が主に用いられます。チタンは耐久性にも優れており、長期にわたって機能し続けるために欠かせない素材です。しかし、このチタン製インプラントの製造には高度な技術が求められるため、その費用も高額になりがちです。
インプラントメーカーは国内外に多数存在し、それぞれが独自の技術やデザインを採用しています。どのメーカーの製品を使用するかによって価格が変動するほか、そのメーカーの信頼性や長期的な実績も費用に影響を与える要素となります。
3. 上部構造(人工歯)とアバットメントの費用
インプラントは、埋め込まれたインプラント本体だけでなく、「上部構造(人工歯)」と「アバットメント」という3つの部位で構成されています。アバットメントはインプラント本体と上部構造を連結する橋渡し役の部品であり、上部構造は実際に口の中で見える「歯」の部分です。
特に上部構造の材質は、費用に大きく影響します。例えば、見た目の美しさに優れる「オールセラミック」、強度と審美性を兼ね備えた「メタルボンド」、比較的費用を抑えられる「ハイブリッドセラミック」など、様々な種類があります。これらの素材は、それぞれ審美性、耐久性、費用が異なるため、ご自身の希望や予算に合わせて選択することになります。
前歯のインプラント治療では、審美性が特に重視されるため、天然歯と見分けがつかないほどの高いクオリティが求められるオールセラミックが選ばれることが多く、その分費用も高くなる傾向があります。一方、奥歯では強度や機能性が重視されるため、素材の選択肢が広がり、費用に差が出ることがあります。
4. 手術費用
インプラント治療の中心となるのが、インプラント本体を顎の骨に埋め込む「手術費用」です。この費用には、手術そのものにかかる技術料や人件費、そして清潔な環境を保つための手術室の管理費用などが含まれています。
手術の方法には、大きく分けて1回法と2回法があり、どちらの手法を選択するかによって手順が異なります。また、患者様の顎の骨の状態など、手術の難易度によっても費用が変動する可能性があります。
手術中の痛みや不安を和らげるためのオプションとして、「静脈内鎮静法」などを希望される場合は、別途費用がかかります。これは、鎮静剤を点滴で投与することで、うとうとした状態でリラックスして手術を受けられる方法です。
5. 追加処置の費用(骨造成など)
インプラント治療では、全ての患者様に必要となるわけではありませんが、場合によっては「追加処置」が必要となり、その分の費用が発生することがあります。特に重要なのが「骨造成(こつぞうせい)」と呼ばれる処置です。
骨造成は、インプラントを埋め込むのに十分な顎の骨の量や厚みが足りない場合に行われます。この処置によって、骨を増やしたり、厚みを増したりすることで、インプラントが安定して固定されるための土台を作ります。具体的な手法としては、GBR法(骨誘導再生法)やサイナスリフト、ソケットリフトなどがあり、これらは手術の規模や難易度によって費用が異なり、5万円~20万円程度、あるいはそれ以上の費用がかかる場合があります。
また、手術の精度を高めるために「サージカルガイド」と呼ばれる装置を使用する場合も、追加費用となることがあります。サージカルガイドは、CTデータをもとに作成されるマウスピースのような器具で、インプラントを正確な位置と深さに埋入するのを補助する役割を果たします。
6. 術後のメンテナンス費用
インプラント治療は、人工歯が入って終わりではありません。インプラントを長期間にわたって快適に使用し続けるためには、治療が完了した後の「メンテナンス」が非常に重要であり、これにも費用がかかります。
定期的な歯科医院での検診やクリーニングは、インプラント周囲炎などのトラブルを未然に防ぎ、インプラントの寿命を延ばすために不可欠です。メンテナンスでは、インプラント周囲の歯茎の状態や、噛み合わせのチェック、専門的な機器を用いたクリーニングなどが行われます。
一般的に、数ヶ月から1年に1回程度の頻度でメンテナンスを受けることが推奨されており、1回あたりの費用は数千円から1万円程度が目安となります。このメンテナンス費用も、インプラント治療の総費用の一部として考慮しておくべきでしょう。
なぜインプラント治療は高額になるのか?3つの理由
インプラント治療は、失った歯の機能性と審美性を回復させる優れた治療法ですが、その費用は他の一般的な歯科治療と比較して高額になる傾向があります。この費用には、治療の特殊性や使用される材料、必要な設備など様々な要因が関係しています。ここでは、インプラント治療が高額になる主な理由を3つに分けて詳しく解説します。これらの理由を理解することで、なぜインプラント治療がこの価格帯になるのか、納得感を深めていただけるでしょう。
理由1:原則として保険適用外の自由診療であるため
インプラント治療が高額になる最大の理由の一つは、日本の公的医療保険が原則として適用されない自由診療であることです。日本の医療保険制度は、病気の治療や機能回復を主な目的としており、インプラント治療は見た目の美しさ(審美性)や、より高い機能性の回復を目的とする部分が大きいため、保険の対象外となる場合がほとんどです。
そのため、インプラント治療にかかる費用は、全て患者さまご自身の自己負担となります。虫歯治療や抜歯といった保険診療であれば3割負担で済む費用も、インプラント治療では全額負担となるため、結果として高額になります。
ただし、ごく稀なケースとして、事故や病気で広範囲にわたる顎の骨を失ってしまった場合など、特定の条件下においては保険適用となることがあります。しかし、これは非常に厳格な基準が設けられており、多くの場合は自由診療となります。
理由2:高品質な材料と専門的な設備が必要なため
インプラント治療では、安全で長期的な成功を目的とした高品質な材料や、専門的な設備が不可欠です。これらが高額な治療費の一因となっています。
インプラント本体は、生体との親和性が非常に高く、体内で安定して骨と結合する特性を持つ「チタン」が主な素材として用いられます。このチタンは、製造に高度な技術と厳密な品質管理が求められるため、材料費自体が高価です。また、海外の有名メーカーのインプラント体は、長年の研究と実績に基づいた信頼性があり、それが価格にも反映されています。
さらに、インプラント手術を安全かつ正確に行うためには、歯科用CTスキャナーによる詳細な3D画像診断や、手術中の細菌感染を防ぐためのクリーンな手術室、手術器具の滅菌システムなど、専門性の高い設備が必要です。これらの設備投資にも多額の費用がかかるため、それが治療費に上乗せされる形となります。
理由3:高度な技術と長期的な管理が求められるため
インプラント治療は、単に歯を埋め込むだけでなく、非常に高度な外科的技術と専門知識を必要とする治療です。患者さま一人ひとりの顎の骨の状態や口腔内の状況を正確に診断し、緻密な治療計画を立てた上で、繊細な手術を行う必要があります。
歯科医師には、口腔外科の知識に加え、インプラントに関する豊富な経験と専門的なトレーニングが求められます。このような高度な医療技術を提供する対価として、治療費は高額になります。
また、インプラント治療は手術が完了すれば終わりではありません。インプラントを長期間にわたって安定して機能させるためには、治療後の定期的なメンテナンスと管理が不可欠です。歯科医院は、患者さまのインプラントの状態を継続的にチェックし、専門的なクリーニングや指導を行う責任があります。多くの歯科医院で設けられているインプラントの保証制度も、この長期的な管理体制の一部であり、保証にかかる費用も治療費に含まれていると考えることができます。
賢く活用!インプラント治療の費用負担を抑える3つの方法
インプラント治療は高額なイメージがあり、費用面で不安を感じる方も多いでしょう。しかし、費用負担を少しでも軽減できる賢い方法がいくつかあります。このセクションでは、費用面で悩んでいる方が安心して治療に踏み出せるよう、医療費控除、デンタルローン、そして歯科医院の選び方という3つの具体的な方法について詳しく解説します。これらの情報を活用して、納得のいくインプラント治療を選択するきっかけにしてください。
方法1:医療費控除を申請して税金の還付を受ける
インプラント治療にかかる費用負担を軽減する有効な手段の一つが「医療費控除」です。医療費控除とは、1月1日から12月31日までの1年間に、ご自身や生計を同一にするご家族が支払った医療費が一定額を超えた場合、確定申告をすることで所得税や住民税の一部が還付される制度を指します。
インプラント治療は自由診療のため全額自己負担となりますが、この医療費控除の対象となります。治療費だけでなく、通院のための交通費(公共交通機関利用の場合)も対象になることがありますので、領収書は大切に保管しておきましょう。
医療費控除の対象となる医療費は、年間10万円を超えた金額、または所得の5%のいずれか少ない方です。たとえば、年間所得が200万円で医療費が50万円かかった場合、10万円を超える40万円が控除の対象となります。この金額に所得税率をかけた額が還付され、さらに住民税の軽減にも繋がります。
方法2:デンタルローンや分割払いを利用する
インプラント治療は高額なため、一度にまとまった費用を用意するのが難しい場合も少なくありません。そのようなときに選択肢となるのが「デンタルローン」や歯科医院独自の「分割払い」です。
デンタルローンは、信販会社などが提供する歯科治療専用のローンであり、月々の支払額を抑えることで、経済的な負担を分散できるというメリットがあります。計画的に返済することで、無理なく治療を進めることが可能です。
一方で、デンタルローンを利用する際には金利が発生することや、審査がある点に注意が必要です。歯科医院によっては、無金利の分割払いに対応している場合もあります。カウンセリングの際に、どのような支払い方法が利用できるのか、金利の有無も含めて事前にしっかりと確認しておくことが大切です。
方法3:保証制度やメンテナンス費用も考慮して歯科医院を選ぶ
インプラント治療の歯科医院を選ぶ際には、目先の治療費用だけでなく、長期的な視点を持つことが非常に重要です。特に「保証制度」の有無や内容、そして治療後の「メンテナンス費用」は、治療費の総額に大きく影響するため、慎重に比較検討することをおすすめします。
多くの歯科医院では、インプラント治療に対して独自の保証制度を設けています。保証期間や保証の対象範囲(例えば、インプラント本体のみか、上部構造も含むかなど)は歯科医院によって異なるため、事前にしっかり確認しましょう。充実した保証があれば、万が一インプラントにトラブルが発生した場合でも、追加費用を抑えられる可能性があります。
また、インプラントを長持ちさせるためには、治療後の定期的なメンテナンスが不可欠です。このメンテナンスにかかる費用も、歯科医院によって異なります。メンテナンス費用を含めた長期的な視点で総額を比較検討することで、後悔のない歯科医院選びに繋がります。
「格安インプラント」に潜むリスクと注意点
インプラント治療を検討される際、費用を抑えたいと考えるのは自然なことです。しかし、「格安インプラント」と謳われる治療には、相場よりも著しく安い価格設定の裏に、見過ごせないリスクが潜んでいる可能性があります。単に価格だけで判断してしまうと、かえって後悔につながることもありますので、慎重な検討が必要です。
価格だけでなく、歯科医師の実績やアフターフォローも確認しよう
「格安インプラント」の背景には、さまざまな理由が考えられます。例えば、経験の浅い歯科医師が担当するケース、あるいは品質が不安定なインプラントメーカーの製品を使用しているケースなどです。また、手術を行う環境の衛生管理が不十分であったり、治療後のアフターフォローが手薄であったりすることも、費用が抑えられる要因となることがあります。
これらのリスクは、インプラントの脱落や周囲の感染症、さらには顎の骨への深刻なダメージなど、取り返しのつかないトラブルにつながる可能性があります。もしトラブルが発生すれば、再治療が必要となり、結果的に当初の「格安」をはるかに上回る高額な費用と、精神的・肉体的な負担を強いられることにもなりかねません。
そのため、インプラント治療の歯科医院を選ぶ際には、価格の安さだけで判断せず、歯科医師の実績や治療経験、使用されるインプラントのメーカーや品質、そして治療後の保証やアフターフォロー体制がしっかりと整っているかを十分に確認することが非常に重要です。無料カウンセリングなどを活用し、疑問点は納得いくまで質問することをおすすめします。
長期的な視点で比較!インプラントと他の治療法(ブリッジ・入れ歯)の費用
歯を失った場合の治療法は、インプラントの他にもブリッジや入れ歯といった選択肢があります。初期費用だけで比較すると、インプラントは最も高額に見えるかもしれません。しかし、それぞれの治療法が持つメリット・デメリット、そして長期的にかかる費用を考慮すると、見方が変わってくるでしょう。
ブリッジは、失った歯の両隣にある健康な歯を削り、橋渡しをするように人工歯を装着する治療法です。保険適用であれば比較的安価ですが、健康な歯を削る必要があるため、削られた歯の寿命を縮めてしまう可能性があります。また、数年ごとに作り直しが必要になることが多く、その都度費用が発生します。入れ歯も同様に、初期費用は抑えられますが、劣化による調整や修理、あるいは作り直しが定期的に必要となり、生涯にわたる総費用は想定よりも高くなる場合があります。
一方、インプラントは顎の骨に人工歯根を埋め込むため、周囲の健康な歯を削る必要がありません。適切にメンテナンスを行えば、長期間にわたって安定して機能することが期待できます。保証期間が設けられている歯科医院も多く、最長30年の保証が付くケースもあります。初期費用は高額でも、メンテナンスを怠らずに使うことで再治療の頻度を抑え、結果的にライフタイムコスト(生涯にかかる総費用)で考えると、インプラントが費用対効果の高い選択肢となる可能性は十分に考えられます。
まとめ:費用内訳を正しく理解し、納得できるインプラント治療を選びましょう
インプラント治療は高額な費用がかかるというイメージが先行しがちですが、その費用の内訳を正しく理解することは、適切な治療選択への第一歩です。検査・診断料からインプラント本体、上部構造、手術費用、そして必要に応じた追加処置や術後のメンテナンス費用まで、多くの項目から総額が構成されています。表面的な価格だけでなく、これらの内訳や、治療後に必要となる保証やメンテナンス費用を含めた総額で比較検討することが重要です。
費用の負担を軽減するためには、医療費控除制度の活用やデンタルローン、歯科医院の分割払い制度の利用を検討するのも良いでしょう。特に医療費控除は、年間で支払った医療費に応じて税金が還付されるため、忘れずに申請することをおすすめします。
そして何よりも、信頼できる歯科医師と十分に話し合い、ご自身の口腔内の状態やライフスタイルに合った治療計画を立てることが大切です。費用だけで判断せず、歯科医師の実績やアフターフォロー体制なども総合的に評価し、納得のいくインプラント治療を選んで、将来の健康的な笑顔を手に入れてください。この情報が、費用に関する不安を解消し、前向きに治療を検討するための一助となれば幸いです。
少しでも参考になれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございます。
監修者
国立東北大学卒業後、都内の医療法人と石川歯科(浜松 ぺリオ・インプラントセンター)に勤務。
2018年大森沢田通り歯科・予防クリニックを開業し現在に至る。
【所属】
・5-D Japan 会員
・日本臨床歯周病学会 会員
・OJ(Osseointegration study club of Japan) 会員
・静岡県口腔インプラント研究会 会員
・日本臨床補綴学会 会員 会員
・日本デジタル歯科学会 会員
・SPIS(Shizuoka Perio implant Study) 会員
・TISS(Tohoku implant study society) 主催
【略歴】
・2010年国立東北大学 卒業
・2010年都内医療法人 勤務
・2013年 石川歯科(浜松 ぺリオ・インプラントセンター)勤務
・2018年 大森沢田通り歯科・予防クリニック 開業
・2025年 銀座Aクリニックデンタル 理事長 就任
平和島・大森エリアの歯医者・歯科「大森沢田通り歯科・予防クリニック」
『沢田通り歯科・予防クリニック』
住所:東京都大田区大森北6丁目23−22
TEL:03-3767-0648


