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入れ歯の種類別費用比較:品質と価格のバランスを考える2025年10月18日

入れ歯の種類別費用比較:品質と価格のバランスを考える

平和島・大森エリアの歯医者・歯科「大森沢田通り歯科・予防クリニック」です。

歯を失った際の治療法として検討されることの多い入れ歯ですが、「費用はどれくらいかかるのだろう」「種類が多くて何を選べば良いか分からない」と不安に感じる方は少なくありません。この記事では、そのような疑問や不安を解消するために、入れ歯の種類ごとの費用相場について詳しく解説します。

この記事を通じて、保険が適用される入れ歯と、より機能性や審美性を追求できる自費診療の入れ歯の違い、それぞれのメリット・デメリットを深く理解することができます。また、入れ歯以外の治療法であるブリッジやインプラントについても触れ、それぞれの費用や特徴を比較することで、ご自身の状況や希望に合わせた最適な選択ができるよう、幅広い情報を提供していきます。

専門的な知識がなくても分かりやすいように、難しい言葉は使わずに説明していますので、安心して読み進めてください。最終的に、ご自身の予算や生活スタイルに合った品質と価格のバランスの取れた入れ歯を見つけるための知識が身につくでしょう。

はじめに:入れ歯の費用が不安な方へ

歯を失い、いよいよ入れ歯を検討し始めたとき、まず頭に浮かぶのは「費用はどれくらいかかるのだろう」という金銭的な不安ではないでしょうか。特に、年金生活を送られている方にとっては、医療費の出費は家計に大きな影響を与えるため、「高額な費用を支払い続けられるか」「どのような入れ歯を選べば良いか分からない」といった心配は尽きないことと存じます。

確かに、入れ歯にはさまざまな種類があり、それぞれ費用も大きく異なります。しかし、ご安心ください。このページでは、そのような費用に関する不安を解消し、ご自身の状況に最も適した入れ歯を見つけるための手助けをすることを目的としています。保険が適用される入れ歯と自費診療の入れ歯の具体的な費用相場はもちろんのこと、それぞれの特徴やメリット・デメリットを分かりやすく解説していきます。

さらに、入れ歯以外の治療法であるブリッジやインプラントについても触れ、費用や治療の性質を比較することで、より広い視野でご自身の選択肢を検討できるようになります。この記事を最後までお読みいただくことで、費用面だけでなく、見た目や快適さ、そして将来的なメンテナンスまで含めて、納得のいく入れ歯選びができるような知識と情報を得られることでしょう。

まず知っておきたい!入れ歯の基本的な2つの種類

入れ歯には、大きく分けて「部分入れ歯」と「総入れ歯」の2種類があります。どちらの入れ歯を選ぶかは、残っている歯の状態によって決まります。これらの基本的な違いを理解することが、ご自身に合った入れ歯を見つける第一歩となります。

このセクションでは、それぞれの入れ歯がどのようなものか、その概要を簡単にご紹介します。次のセクションでは、それぞれの入れ歯について、より詳しくその特徴や適用されるケースを解説していきます。

部分入れ歯とは?

部分入れ歯は、1本でもご自身の歯が残っている場合に、失われた歯を補うために使われる入れ歯です。文字通り、お口の一部分に装着します。

この入れ歯の基本的な仕組みは、残っている健康な歯に「クラスプ」と呼ばれる金属のバネをかけて固定するものです。これにより、入れ歯が安定し、食事をしたり会話をしたりする際に外れにくくなります。また、歯ぐきの上に乗る「床」という部分が、失われた歯の代わりとなります。

部分入れ歯は、歯を失った部分にピンポイントで装着できるため、残されたご自身の歯を最大限に活かしながら、お口の機能を回復させたい方に適した治療法と言えるでしょう。

総入れ歯とは?

総入れ歯は、上あごまたは下あごのすべての歯を失ってしまった場合に用いられる入れ歯です。お口の中の歯が一本も残っていない状態のときに、選択される治療法です。

総入れ歯の大きな特徴は、ご自身の歯に固定するバネがない点です。その代わりに、入れ歯の「床」と呼ばれる部分がお口の粘膜にぴったりと吸着することで安定します。特に上あごの総入れ歯は、広範囲で粘膜に密着するため、比較的安定しやすい傾向があります。

すべての歯を失ってしまった方にとって、総入れ歯は食事や会話といった日常の基本的な機能を回復させるために不可欠な存在となります。

【費用で比較】保険適用の入れ歯と自費診療の入れ歯

このセクションでは、保険適用となる入れ歯と、費用はかかりますが機能性や審美性に優れた自費診療の入れ歯について、それぞれの費用、メリット、デメリットを詳しく比較してご紹介します。ご自身のライフスタイルや予算、どのような点を重視したいかによって、最適な入れ歯の選択肢は変わってきます。この比較を通じて、あなたにとって最適な入れ歯を見つけるための判断材料としてお役立てください。

保険適用の入れ歯:費用を抑えたい方向け

入れ歯の費用をできるだけ抑えたいと考える方にとって、保険適用の入れ歯は大変魅力的な選択肢となります。国が定めた診療報酬に基づいているため、経済的な負担を大幅に軽減できるのが最大の特長です。使用できる素材や製作方法には一定の制限がありますが、必要十分な機能は確保されています。このセクションでは、保険適用の入れ歯の費用相場や、具体的なメリット・デメリットを詳しく見ていきましょう。

費用相場(3割負担の場合)

保険適用の入れ歯は、歯科医院や失われた歯の本数、お口の状態によって多少の変動はありますが、一般的には部分入れ歯で5,000円から1万5,000円程度、総入れ歯で1万5,000円から2万円程度が費用の目安となります。これは健康保険の3割負担を適用した場合の金額です。自費診療の入れ歯と比較すると、非常に費用を抑えることができるため、経済的な負担が心配な方にとっては大きな安心材料となります。

メリット・デメリット

保険適用の入れ歯のメリットは、やはり「費用が安い」ことと「治療期間が比較的短い」点です。急ぎで入れ歯が必要な場合や、高額な治療費を捻出するのが難しい場合に、すぐに治療を始められるのは大きな利点と言えるでしょう。

一方、デメリットとしては、使用できる素材に制限がある点が挙げられます。主にプラスチック(レジン)で作られるため、厚みがあり、お口の中に入れたときに違和感を覚えやすいかもしれません。また、プラスチックは熱伝導率が低いため、食事の際に食べ物の温度を感じにくくなることもあります。部分入れ歯の場合、残っている歯に固定するための金属のバネ(クラスプ)が目立ってしまうことがあり、見た目を気にする方には抵抗があるかもしれません。さらに、プラスチックは自費の素材と比較して耐久性が劣る傾向にあるため、破損のリスクがやや高まる可能性もあります。

自費診療の入れ歯:機能性や審美性を重視したい方向け

「入れ歯だと気づかれたくない」「食事をもっと快適に楽しみたい」「できるだけ違和感なく過ごしたい」といった、機能性や審美性を重視する方には、自費診療の入れ歯が有力な選択肢となります。自費診療では、使用できる素材や設計に制限がなく、患者さん一人ひとりのお口の状態や希望に合わせて、オーダーメイドで製作することが可能です。費用は保険適用の場合よりも高額になりますが、その分、見た目の美しさや装着感、耐久性など、多くの面で質の高い入れ歯を得られます。このセクションでは、自費診療の入れ歯の費用相場と、具体的な種類、そしてメリット・デメリットを詳しく解説していきます。

費用相場

自費診療の入れ歯の費用は、保険適用の場合と比べて高額になります。部分入れ歯の場合、一般的に10万円から30万円程度、総入れ歯の場合は20万円から80万円程度が相場とされています。ただし、これはあくまで目安であり、使用する素材の種類、設計の複雑さ、歯科医院の方針などによって費用は大きく変動します。例えば、特殊な素材を用いたり、より高度な技術を要する入れ歯を選択したりする場合、費用はさらに高くなる傾向があります。そのため、事前に歯科医院でしっかりと見積もりを取り、納得した上で治療を進めることが重要ですのです。

代表的な自費診療の入れ歯の種類と特徴

自費診療の入れ歯には、患者さんの多様なニーズに応えるために、様々な種類が存在します。主なものとしては、金属のバネがない「ノンクラスプデンチャー」、薄くて丈夫な「金属床義歯」、残った歯を最大限に活かす「コーヌスクローネ義歯」、歯茎に優しく吸着性の高い「コンフォート義歯」、そしてインプラントを土台とする「インプラントオーバーデンチャー」などがあります。それぞれの入れ歯は、異なる素材や構造、製作技術が用いられており、見た目、装着感、噛む力、耐久性といった点でそれぞれ独自の強みを持っています。これらの種類については、後ほど各項目で費用相場と特徴を詳しくご紹介します。

メリット・デメリット

自費診療の入れ歯の最大のメリットは、何よりも「見た目が自然で美しい」点です。金属のバネが見えないように設計されたり、歯茎の色に合わせた素材を選べたりするため、入れ歯だとほとんど気づかれない仕上がりにすることが可能です。また、保険適用よりも薄く、軽く作れることが多いため、「装着感に優れ、違和感が少ない」と感じる方が多くいらっしゃいます。金属床義歯のように熱伝導性の高い素材を使えば、食べ物の「味や温度が伝わりやすい」ため、食事をより美味しく楽しめるでしょう。さらに、耐久性の高い素材を使用することで、長期間にわたって安心して使用できる点も大きなメリットです。

一方、デメリットとしては、やはり「費用が高額になる」点が挙げられます。保険適用外となるため、全額自己負担となり、経済的な負担は大きくなります。しかし、長年にわたって快適に使用できることを考えれば、その費用は自身の生活の質への投資と考えることもできます。歯科医師とよく相談し、ご自身のライフスタイルや予算に合った選択をすることが大切です。

種類別に見る自費診療の入れ歯|費用・特徴を解説

このセクションでは、機能性や審美性を重視する方へ向けた自費診療の入れ歯について、それぞれの種類ごとの費用相場と詳しい特徴をご紹介します。ご自身の希望される見た目、快適さ、そして予算などを照らし合わせながら、最適な選択肢を見つけるための参考にしてください。

ノンクラスプデンチャー

ノンクラスプデンチャーは、金属製のバネ(クラスプ)を使用しない部分入れ歯です。この入れ歯の最大の特徴は、金属のバネがないため、入れ歯だと周囲に気づかれにくいという点にあります。特に、口を開けた時に金属部分が見えることに抵抗がある方にとって、見た目の自然さは大きなメリットとなります。

使用される素材は、薄くて弾力性のあるプラスチックが多く、歯茎の色に近いものが選ばれます。そのため、装着感も比較的良く、保険適用の入れ歯に比べて違和感が少ないと感じる方が多いです。費用相場は部分入れ歯で10万円〜30万円程度と、自費診療の中では比較的抑えられた価格帯になります。

しかし、素材の性質上、保険適用の入れ歯と同様に耐久性がやや劣る場合があります。また、破損した場合の修理が難しいケースや、長期間使用すると素材が変色したり、吸水して劣化したりする可能性もあります。見た目の美しさと装着感を重視したい方、そして比較的費用を抑えたい方におすすめの入れ歯と言えるでしょう。

金属床義歯

金属床義歯は、入れ歯の土台となる床(しょう)の部分が金属で作られている入れ歯です。保険適用の入れ歯がプラスチックの分厚い土台であるのに対し、金属を使うことで非常に薄く製作できるのが大きな特徴です。この薄さが、お口の中での違和感を大幅に軽減し、舌の動きを妨げにくいため、発音や食事の際の快適性が向上します。

金属は熱伝導率が高いため、食事の際に食べ物の温かさや冷たさが舌に伝わりやすく、より美味しく食事を楽しむことができるというメリットもあります。また、金属はプラスチックに比べて強度が高く、衝撃に強いため、耐久性にも優れています。費用相場は部分入れ歯で20万円〜40万円程度、総入れ歯で30万円〜60万円程度です。

使用される金属の種類には、コバルトクロムやチタンなどがあり、チタンはより生体親和性が高く、金属アレルギーのリスクが低いとされています。ただし、金属部分の修理が複雑になる場合がある点、また金属の種類によっては費用が高くなる点がデメリットとして挙げられます。快適な装着感と食事の質を重視したい方におすすめです。

コーヌスクローネ義歯

コーヌスクローネ義歯は、テレスコープ義歯の一種で、残っているご自身の歯を土台として利用する、非常に安定性の高い部分入れ歯です。この入れ歯の大きな特徴は、残っている歯に金属製の冠(内冠)を被せ、その上に入れ歯側の冠(外冠)をはめ込む二重構造になっている点にあります。この仕組みにより、入れ歯がご自身の歯に吸い付くようにしっかりと固定され、ガタつきがほとんどありません。

金属のバネを使用しないため、見た目にも自然で、入れ歯であると気づかれにくいという審美性の高さもメリットです。また、入れ歯が安定することで、ご自身の歯に近い感覚でしっかりと噛むことができ、外れる心配が少ないため、日常生活での安心感が得られます。費用は非常に高額になる傾向があり、部分入れ歯で50万円〜100万円以上かかることも珍しくありません。

一方で、高度な歯科医師の技術と専門的な設備が必要となるため、対応している歯科医院が限られることがあります。また、土台となる歯を削る必要がありますが、バネによる負担がないため、残った歯へのダメージは少ないと言われています。入れ歯の安定性と審美性、そして噛む力を最大限に追求したい方にとって、非常に有効な選択肢です。

コンフォート義歯(シリコン義歯)

コンフォート義歯、またはシリコン義歯は、入れ歯の裏側、つまり歯茎に接する部分に生体用シリコンの特殊なクッション材を加工した入れ歯です。このシリコンの層が、入れ歯と歯茎の間に柔らかいクッションとなり、噛んだ時の歯茎への衝撃を和らげます。これにより、硬い入れ歯で痛みを感じやすかった方や、歯茎が痩せてしまっている方でも、快適に装着できるようになるのが最大の特徴です。

シリコンの適度な弾力性が吸着力を高めるため、入れ歯が外れにくくなるというメリットもあります。これにより、食事や会話の際にずれにくく、より安心して過ごせます。費用は部分入れ歯で30万円〜60万円程度、総入れ歯で40万円〜80万円程度と、自費診療の中でも比較的高額になります。

しかし、シリコン部分は経年とともに劣化したり、剥がれたり変色したりする可能性があるため、定期的なメンテナンスや、数年ごとのシリコン部分の張り替えが必要になる場合があります。また、汚れが付着しやすい傾向もあるため、丁寧な清掃が求められます。痛みや歯茎への負担を軽減し、快適な装着感を追求したい方に特におすすめの入れ歯です。

インプラントオーバーデンチャー

インプラントオーバーデンチャーは、数本のインプラント(人工歯根)を顎の骨に埋め込み、そのインプラントを土台として入れ歯を固定する方法です。通常の総入れ歯が歯茎の粘膜だけで吸着するのに対し、インプラントでしっかりと固定されるため、入れ歯の安定性が格段に向上します。

この治療法最大のメリットは、入れ歯が顎にしっかりと固定されることで、食事中や会話中にずれ落ちる心配がほとんどない点です。これにより、ご自身の歯のように強く噛むことができるため、食事の選択肢が広がり、食生活の質が大きく向上します。また、見た目にも自然で、快適な装着感を得られます。

デメリットとしては、顎の骨にインプラントを埋め込むための外科手術が必要になること、治療期間が比較的長くなることが挙げられます。また、費用も自費診療の入れ歯の中でも最も高額になる傾向があり、1本あたりのインプラント費用に加えて入れ歯の費用もかかるため、総額で70万円〜150万円以上になることもあります。外科手術への抵抗がなく、費用よりも安定性と噛む力を最優先したい方にとって、非常に満足度の高い治療法と言えるでしょう。

入れ歯以外の選択肢は?ブリッジ・インプラントとの比較

歯を失ったときの治療法は、入れ歯だけではありません。ブリッジやインプラントといった治療法も選択肢として考えられます。ここでは、それぞれの治療法の費用や特徴を比較しながら解説していきます。ご自身の状況や希望に合った治療法を見つけるための参考にしてください。

ブリッジの特徴と費用

ブリッジ治療は、失った歯の両隣にある健康な歯を削って土台とし、そこに人工の歯を橋のように連結して装着する方法です。固定式なので、入れ歯のように取り外す手間がなく、ご自身の歯に近い感覚で噛めることが大きな特徴です。

ブリッジのメリットは、固定されているため違和感が少ないことや、比較的短期間で治療が完了することです。一方、デメリットとしては、失った歯の両隣にある健康な歯を削る必要がある点が挙げられます。削られた歯は、将来的に虫歯になりやすくなったり、神経の治療が必要になったりする可能性もあります。

費用については、保険適用の場合、3割負担でおおよそ2万円〜3万円程度が目安です。自費診療のブリッジでは、素材の選択肢が広がり、見た目の美しさや耐久性が向上しますが、費用は25万円〜40万円程度と高額になります。

インプラントの特徴と費用

インプラント治療は、顎の骨に人工の歯根(インプラント体)を埋め込み、その上に人工の歯を装着する方法です。これにより、失った歯を独立して補うことができ、ご自身の歯とほぼ同じように噛めるようになるのが最大の特徴です。

インプラントのメリットは、周囲の健康な歯を削る必要がないこと、ご自身の歯と同じような噛み心地と見た目を再現できること、そして顎の骨の吸収を抑える効果が期待できる点です。デメリットとしては、外科手術が必要であること、治療期間が長くかかること、そして保険が適用されない自費診療のみのため費用が高額になる点が挙げられます。

費用相場は、インプラント1本あたり30万円〜40万円程度が目安となります。手術費用や人工歯の費用が含まれるため、治療を受ける歯科医院や選択するインプラントの種類によって費用は変動します。

入れ歯・ブリッジ・インプラントの比較一覧

これまでご紹介した入れ歯、ブリッジ、インプラントの3つの治療法は、それぞれ費用、治療期間、見た目、快適さなどに違いがあります。ご自身のライフスタイルや、何を最も重視するかによって最適な選択肢は異なりますので、以下の比較表を参考にしながら、ご自身の希望に合う治療法を検討してみてください。

比較表では、「費用」「治療期間」「見た目の自然さ」「快適さ・噛む力」「他の歯への影響」「外科手術の有無」といった項目でそれぞれの治療法を比較しています。ご自身の優先順位と照らし合わせながらご覧いただくと、より治療法の選択がしやすくなります。

後悔しない入れ歯の選び方:5つのチェックポイント

入れ歯を選ぶ際には、費用だけでなく、見た目や装着感、お口の中への影響など、様々な要素を考慮することが大切です。ここでは、ご自身の希望に合った入れ歯を見つけるために押さえておきたい5つのチェックポイントをご紹介します。これらのポイントを参考に、後悔のない選択ができるよう、一緒に考えていきましょう。

1. 費用・予算で選ぶ

入れ歯を選ぶ上で、まず最も気になるのが費用ではないでしょうか。入れ歯の費用は、保険が適用される「保険診療」か、適用されない「自費診療」かによって大きく異なります。初期費用をできるだけ抑えたいと考える方には、保険診療の入れ歯が主な選択肢となります。保険診療の入れ歯は、費用が比較的安価に抑えられ、経済的な負担を軽減できるというメリットがあります。

一方、費用は高くなりますが、長期的な快適さや審美性、機能性を重視したいという場合は、自費診療の入れ歯を検討する価値があります。ご自身の現在の経済状況や、入れ歯にどの程度の予算をかけられるのかを明確にし、費用対効果を十分に考慮することが重要です。また、入れ歯は一度作ったら終わりではなく、将来的に修理や調整が必要になることもありますので、その際の費用も念頭に置いておくことをおすすめします。

2. 見た目の自然さ(審美性)で選ぶ

入れ歯は毎日お口の中に入れるものですから、見た目の自然さは非常に重要な要素です。特に、人とお話しする機会が多い方や、口元の見た目を気にされる方にとっては、審美性は入れ歯選びの大きな決め手となるでしょう。

保険適用の部分入れ歯の場合、歯に固定するための金属製のバネ(クラスプ)が見えてしまうことがあります。これが気になるという方も少なくありません。これに対し、自費診療のノンクラスプデンチャーなどでは、金属のバネを使用しないため、入れ歯だと気づかれにくく、自然な見た目を実現できます。費用は高くなりますが、見た目の美しさを優先したい場合は、自費診療の入れ歯が有力な選択肢となります。

3. 装着感・快適さで選ぶ

食事や会話といった日常生活の質は、入れ歯の装着感や快適さに大きく左右されます。お口に合わない入れ歯は、痛みや違和感を生じさせ、日々の生活にストレスを与えてしまうことがあります。ご自身が入れ歯に何を求めるかによって、快適さの基準も変わってきます。

保険適用の入れ歯は、使用できる素材に制限があるため、厚みが出やすく、お口の中で異物感を感じやすい場合があります。しかし、自費診療の金属床義歯は、金属を使用することで入れ歯を薄く作ることができ、装着時の違和感を軽減できます。また、コンフォート義歯のように、柔らかいシリコン素材で歯茎にかかる負担を和らげ、痛みを軽減するタイプの入れ歯もあります。ご自身がどのような快適さを求めるのかを明確にし、それに合った種類の入れ歯を選ぶことが大切です。

4. 残っている歯への影響で選ぶ

部分入れ歯を検討されている場合、現在残っているご自身の歯への影響も考慮すべき重要なポイントです。保険適用の部分入れ歯では、残っている歯に金属のバネをかけて固定するため、その歯に負担がかかることがあります。長期間使用する中で、バネをかけた歯の寿命が短くなってしまう可能性も否定できません。

一方、自費診療の入れ歯の中には、残っている歯への負担を最小限に抑えることを目的とした種類もあります。例えば、コーヌスクローネ義歯は、残った歯に内冠を被せ、入れ歯の外冠とぴったりはめ込むことで、残存歯を保護しながら入れ歯を安定させます。このように、将来的なお口全体の健康を長期的に見据え、残っている歯を大切にするという観点からも入れ歯を選ぶことが重要になります。

5. 将来的な修理・調整のしやすさで選ぶ

入れ歯は、一度作ったら永続的に使えるものではありません。人間の顎の骨や歯茎は年月とともに変化していくため、それに合わせて入れ歯も定期的な調整や修理が必要になります。長く快適に入れ歯を使い続けるためには、修理や調整のしやすさも考慮に入れるべきポイントです。

一般的に、保険適用の入れ歯は比較的シンプルな構造であるため、修理や調整がしやすい傾向にあります。しかし、自費診療の入れ歯の中には、特殊な構造をしているため、修理が複雑になったり、費用がかさんだりする場合があります。また、特定の歯科医院でしか対応できないケースもあります。長期的な視点で見ると、メンテナンスにかかる手間や費用も選択基準の一つとして考えておくことが、後々の後悔を防ぐことにつながります。

まとめ:自分に合った入れ歯を見つけるために歯科医師に相談しよう

この記事では、入れ歯の費用から種類、さらにはブリッジやインプラントといった他の治療法まで、幅広くご紹介してきました。保険適用の入れ歯は費用を抑えられるものの、見た目や装着感に制限があります。一方、自費診療の入れ歯は、費用は高くなりますが、審美性や機能性に優れ、より快適な日常生活を送るための選択肢が豊富にあります。

どの入れ歯を選ぶかは、皆さんのご予算、見た目へのこだわり、食べ物の美味しさを感じたい、会話を楽しみたいといった生活の質への希望によって、最適なものが異なります。また、今残っているご自身の歯の状態や、顎の骨の状態なども考慮に入れる必要があります。

最終的な選択は、決して一人で抱え込まず、必ず歯科医師にご相談ください。歯科医師は、皆さんの口の中の状態を詳しく診断し、それぞれの入れ歯のメリット・デメリットを専門家の視点からわかりやすく説明してくれます。皆さんの希望に寄り添い、最適な治療計画を一緒に考えてくれる信頼できるパートナーとして、ぜひ歯科医師を頼ってみてください。

 

少しでも参考になれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございます。

 

監修者

菅野 友太郎 | Yutaro Kanno

国立東北大学卒業後、都内の医療法人と石川歯科(浜松 ぺリオ・インプラントセンター)に勤務。
2018年大森沢田通り歯科・予防クリニックを開業し現在に至る。

【所属】
5-D Japan 会員
日本臨床歯周病学会 会員
OJ(Osseointegration study club of Japan) 会員
静岡県口腔インプラント研究会 会員
日本臨床補綴学会 会員 会員
日本デジタル歯科学会 会員
SPIS(Shizuoka Perio implant Study) 会員

・TISS(Tohoku implant study society) 主催

 

【略歴】
2010年国立東北大学 卒業
・2010年都内医療法人 勤務
2013年 石川歯科(浜松 ぺリオ・インプラントセンター)勤務
2018年 大森沢田通り歯科・予防クリニック 開業
2025年 銀座Aクリニックデンタル 理事長 就任

平和島・大森エリアの歯医者・歯科「大森沢田通り歯科・予防クリニック」
沢田通り歯科・予防クリニック
住所:東京都大田区大森北6丁目23−22
TEL:03-3767-0648